2013年12月19日木曜日

【高血圧ガイドライン】JNC8 批評

米国初の臨床ガイドラインは、各分野、その強大な影響力により、利害関係が強く反映され、複雑となっていく。そんあなか、JNC9は、簡略でイメージの良いガイドラインと私などは思ってたが、問題が多いという評論を最下段に・・

JNC8は、3つのクリティカルな疑問に焦点が置かれた。
(1) 高血圧成人において、特異的治療閾値血圧での降圧薬物治療開始で健康アウトカム改善するか?
(2) 高血圧成人において、特異的治療目標血圧での降圧薬物で健康アウトカムが改善するか?
(3) 高血圧成人において、様々な薬物種類、クラスにて特異的健康アウトカムにベネフィット・有害性が異なるか?
その解答が9つの推奨となって記載されている。


Go  AS, Mozaffarian  D, Roger  VL,  et al; American Heart Association Statistics Committee and Stroke Statistics Subcommittee.  Heart disease and stroke statistics
2013 update: a report from the American Heart Association.  
Circulation. 2013;127(1):e6-e245.
http://circ.ahajournals.org/content/127/1/e6.full.pdf+html




Eighth Joint National Committee (JNC 8) report their Evidence-Based Guideline for the Management of High Blood Pressure in Adults
2014 Evidence-Based Guideline for the Management of High Blood Pressure in AdultsReport From the Panel Members Appointed to the Eighth Joint National Committee (JNC 8)
→ Box:推奨1ー9
1)薬物治療開始:60歳以上では、収縮期血圧 150 mmHg以上 あるいは 拡張期血圧 90 mmHg以上 ;治療目標を収縮期血圧 150 mmHg未満 及び 拡張期血圧90未満とする(Grade A)
同時推奨:60歳以上では、収縮期血圧が、例えば140mmHg未満・耐用性良好・QOL/健康状態に副作用無しなら補正必要ない(再診必要なし?)(Grade E)

2)60歳未満では、拡張期血圧を指標:90mmHg以上;目標を 90 mmHg未満(Grade A)(39−59歳:Grade A、18−29歳:Grade E)

3)60歳未満では、収縮期血圧を指標:140以上:目標を140未満へ(Grade E)

4)CKD 18歳以上:収縮期血圧 140以上 あるいは 拡張期血圧 90以上d治療開始し、目標を収縮期血圧140未満とする (Gdare E)
5)18歳以上の糖尿病患者:収縮期血圧 140以上あるいは拡張期血圧90以上で薬物治療開始;目標を収縮期血圧140未満と拡張期血圧90未満とする(Grade E)
6) 一般住民において、糖尿病を含め、降圧治療開始初期治療は、サイアザイド系、CCB、ACE阻害剤、ARB(Grade B)
7) 糖尿病を含む一般黒人では、初期降圧治療は、サイアザイド系利尿剤かCCBであるべき(一般黒人対象 Grade B; 糖尿病黒人 Grade C)
8) 18歳以上のCKDでは、初期薬剤(あるいは、追加薬剤)は、腎臓アウトカム改善のため、ACEI、ARBを含まなければならない、これは高血圧CKD全般で、糖尿病状況・人種に関わらない(Grade B)
9) 降圧治療主たる目的は、目標血圧到達・維持。1ヶ月内で到達しない場合・・・(薬剤追加手段だから重要なんだろうけど、後で)
  


<エディトリアル>
9推奨と治療アルゴリズムに加え、包括的エビデンスレビューとメソッドをオンライン上で提供している。評論の問題にしているのは個別化検討を不十分と批評。


Editorial 

Review, and Responsibility
 Updated Guidelines for Management of High Blood PressureRecommendations,

Howard Bauchner, et. al.

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