2013年7月17日水曜日

肥満は依存症という病気?

Can Obesity Be an Addiction?
http://www.medscape.com/viewarticle/807684

肥満を病気としていいのか?AMAは支持と反対の意見相まみえる中、「肥満を病気」として宣言してしまった。

参考:AMA評議会:BMI定義による肥満定義否定 肥満は公衆衛生上問題であり疾患ではない →結局は「肥満は病気へ」 2013/06/18

この議論はさておき、肥満への知識・理解と評価が進化し、公衆衛生、医学界での意識が高くなった。最近関心が向けられる大きな分野は肥満のある病型と依存との関係の神経生物学的オーバーラップ。NIDA(National Institute on Drug Abuse)は、この関連に大きく予算を割いている。その関連に関して、Dr. Volkowにインタビューした記事

不可解なAMA判断に関してちょっとでも理解を深めたいため、ちょっと翻訳・意訳





摂食に関する"homeostatic regulation"(ホメオスタティック制御)で、食事摂取を要求する否かが決まる。同時に、脳のパラレルな報酬系が食事の楽しみに反応し、食欲を満たすことにつながる”hedonic regulation"(快不快制御)と表記されるプロセスが働く。

末梢シグナルは視床下部で主に受容し、シグナルとして種類は少なく、ブドウ糖、インスリン、レプチンなどと考えられてきたが、他にホルモン、ペプチド類など多くが近年認められ、一部に行動への関与、そして、食物への脳内の報酬システムの感度調整への働きが明らかになった。例えばレプチン、遺伝的条件にてばらつきが大きく、過食傾向と関連する。脂肪細胞から分泌されたレプチンが脳へエネルギー十分蓄積があると知らせるフィードバックシステム。レプチン投与にて報酬系感度減弱し、結果的に体重減少をもたらすことも。末梢系シグナルが遊離されないとき、脳は耐用し、もし食へのドライブに対抗するメカニズムがないなら、ブレーキのない車を運転しているようなもの

報酬回路の中心は、側坐核(N. accumbens)で、ドパミン調整部位で、報酬系や薬物依存に関わる部分でもある。食事に関する報酬影響に関してもこのNAcでのドパミン遊離が関与する。食に対し報酬的に働くことで食へのモチベーション生じ、肥満へ傾く。肥満となると、インスリン・レプチン抵抗性となる。食への報酬系抑制末梢系シグナルが消失し、肥満悪化となる。

脳内ドパミン系に関するNL/NIHのBrookhavenの合併症有り肥満の研究によるとドパミンが報酬系D1受容体を活性化すると、食報酬的に働く。一方、D2受容体刺激で、この反応を調節し、食行動を抑制する。依存行動・肥満研究にてD2受容体システムがかなり減衰していることが判明。依存者では、食・薬物への刺激へのhypesensitizationがみられる。
報酬期待でもドパミン活性化のsurgeがみられ、実際に行動に移されるとドパミン活性化は急減に減少する。

それは、”報酬への予期であり、報酬そのものではない”


DSM-5での新しい分類システムでは、依存評価のdimensional componetが存在し、薬物や行為関連への制御喪失に特徴付けられる依存の概念が存在する。
特定の食物に時間を忘れて没頭することがあるが肥満ではない場合、こういう状態まで疾患とするのか?やはり肥満の極端な例を呼ぶべきと主張。肥満につながる食をやめたいが、やめられない。身体的・心理的後遺症に気づいていてもやめられない。この場合は、やはり、依存と呼ばざる得ないだろう。


インターネット・ゲーム依存などの特定の依存行動に関しては、DSM-5は議論があった。
肥満とこれらの否定的依存行動との違いはどう説明する?

DSM-5は、ドラッグなどに限定して”依存”としているようで、依存行動を惹起する特定の化学物質を含む場合で、例えば抗生剤などでは依存が存在しない。報酬系でドパミン増加するような化学物質などでは依存が存在する。チキンピースを食べ過ぎた場合、すでに報酬は完了。空腹でない時、本来報酬的行動には向かわない。チョコチップやクッキーを見つけた場合、空腹で無い場合でも、報酬的行為を行う。これは危険な行為で有り、特定の食物報酬系活性促進、衝動的食行動を行うこととなる。食物全部が同様に報酬行動を呼び起こすわけではない。

類似したのがテレビゲームなどの行為。テレビゲームでなどの行動でも本来報酬依存的である。だが、実際の渋滞時運転ではそういう依存的行動は起きない。テレビゲームで報酬系が関与するのは勝ち負けの要素があってである。

なぜ、DSMに肥満を含めることを1日で決めたのか?

 分かりません。診断クライテリアを確立する学会は、分類する疾患に関して長年行為や意見を続ける委員会を保有してきた。過食症や神経性食欲不振症を含む食行動異常に関するDSMのセクションがある。注目すべきは、DSM-IVも5も、binge eating disorderをメンタル疾患とし、肥満は含まなかった。
しかし、AMAは肥満を疾患とみなした、たぶん次のDSMでは肥満の特定のタイプが含まれることとなるだろうと予見する。

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