2013年5月24日金曜日

小児・青年期CTスキャンによる発がん 年毎1万人に1人以上超過発症と予測

CTスキャン暴露後のがん発症率増加は主に放射線による。元朝かリスクはフォローアップ終了まで持続するので、イベント生涯リスクは結論づけはできない。
放射線量最小化にて診断的CT施行するよう、個別スキャンを最適化するよう、臨床的適応状況を限定化すべき

1090万名のオーストラリアのMedicare記録(1985年0-19歳、1985年1月1日から2005年12月31日生まれ)
CTスキャン暴露と非暴露の比較

Cancer risk in 680 000 people exposed to computed tomography scans in childhood or adolescence: data linkage study of 11 million Australians
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2360 (Published 21 May 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f2360
がん発症前1年前のCTスキャン 680 211名暴露で、がん 3 150名。
暴露後フォローアップ中央期間は9.5年間 
包括的がん発生頻度は、非暴露群より24%多い(年齢、性別、誕生年補正)
(発症率比(rate ratio)(IRR)) 1.24 (95% 信頼区間 1.20-1.29) p < 0.001
量反応関係が見られ、IRRは、CTスキャン追加毎 0.16 (0.13 - 0.19)増加する
IRRは若年ほど暴露に大きな影響される (P < 0.001 for trend) 

年齢 1-4、5-9、10-14、15歳以上で、IRRはそれぞれ、1.35 (1.25 - 1.45)、 1.25 (1.17 -  1.34)、 1.24 (1.14 - 1.34) 
IRRは固形がん(消化器系、 メラノーマ、 軟部組織、 女性生殖器、 尿路、 脳、 甲状腺)、白血病、骨髄異形成、他のリンパ系腫瘍でもいずれも有意。 
CTスキャン暴露超過発症は 608で、脳腫瘍 147、 固形腫瘍 356、 白血病・骨髄異形成 49、 他のリンパ系疾患 57 
絶対的超過発症率は、がん全部の組み合わせで、10万対 9.38/人年 
(2007年12月31日時点) 
スキャンあたり平均最小有効放射線量は 4.5 mSvと推定


原発や原爆の放射線被曝による身体的影響には厳しいくせに、より日常性のある、医療用放射線の身体的影響には寛容な日本国民。腹部の脂の量を測定するためだけのCTスキャン風景をテレビでよく見る。よろこんでCTをうけすぎる国民は、まか不思議さ。
大人は自己責任が通じるのだろうが・・・子供は特に自らのリスクを自分で判断できないのだから、周囲がそのリスクベネフィットを慎重に判断すべきなはず。

2歳未満の軽症と思える頭部外傷に関するCT検査適応・・・様々議論されているので、検索して参考のこと


参考:
CT使用頻度増大と放射線被曝の影響 2007年 11月 29日
小児頭部外傷の低リスク評価:不要なCTを減らせ! 2009年 10月 05日

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