2012年11月8日木曜日

がん患者でのスタチン使用はがん関連死減少効果を認める

がん患者でのスタチン使用は、がん関連死減少と関連。

Statin Use and Reduced Cancer-Related Mortality
Sune F. Nielsen, et. al.
N Engl J Med 2012; 367:1792-1802November 8, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1201735

スタチン非使用比較のスタチン使用の多変量補正ハザード
・全原因死亡  0.85 (95% 信頼区間 [CI], 0.83 to 0.87)
・がん死  0.85 (95% CI, 0.82 to 0.87)


連日スタチン使用(推定1日平均平均維持投与量)に従う推定死亡ハザード比
・一日投与量 0.01から0.75の場合 0.82 (95% CI, 0.81 to 0.85)
・一日投与量 0.76-1.50の場合  0.87 (95% CI, 0.83 to 0.89)
・一日投与量 1.5超の場合  0.87 (95% CI, 0.81 to 0.91)

同様に、がん死ハザードはそれぞれ、0.83 (95% CI, 0.81 to 0.86)、 0.87 (95% CI, 0.83 to 0.91)、 0.87 (95% CI, 0.81 to 0.92)

スタチン使用者におけるがん関連死亡率減少効果は、13種類のがんで見られた。


コレステロールは、ほ乳類細胞膜の基本的構成成分で、細胞増殖に欠かせない。スタチンは内因性コレステロール産生を阻害し、蛋白プレニル化反応を抑制する(プレニル化を受けるRasタンパク質はがんの進行に大きな役割を果たす。このことは、プレニル化を引き起こす酵素の阻害剤が腫瘍の成長に影響を与えられる可能性を示唆する)。
スタチン使用により、細胞増殖、migrationに影響を与えることが考えられる。

癌細胞増殖は、がん増殖・転移が見られ、結果、がん死を生じる。コレステロール利用率減少は増殖抑止をもたらし、癌細胞のmigration低下をもたらす。スタチンによるdownstream産生産物減少は癌再発リスク減少を示すかもしれない。細胞レベルでは、細胞周期進行を抑制し、癌細胞の放射線感受性を増加させる可能性がある。
以上が、エディトリアルに書かれている機序

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