2012年11月21日水曜日

マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要

後顧的コホートだが、マイスリー使用は転倒の独立した増悪要素であるという報告で、臨床上重大な報告。

Zolpidem is independently associated with increased risk of inpatient falls†
Bhanu Prakash Kolla et. al.
Journal of Hospital Medicine Early View (Online Version of Record published before inclusion in an issue)

ゾルピデムの処方発行され、薬剤受領した患者の転倒発生率
処方発行されたが受領してない患者に比べ、有意に高率
(n = 4962 vs n = 11,358) (3.04% vs 0.71%; P < 0.001)


ゾルピデム使用は年齢・性別・不眠・せん妄・ゾルピデム投与量・Charlson comorbidity index、Hendrich's fall risk score、視覚異常、歩行異常、認知症/認知障害補正後も、転倒リスクと相関存在  (補正オッズ比 [OR] 4.37, 95% 信頼区間 [CI] = 3.34–5.76; P < 0.001)

さらに、転倒経験ありのゾルピデム服用患者は、年齢・オピオイド・抗うつ・鎮静抗うつ薬、向精神薬、ベンゾジアゼピン、抗ヒスタミン使用に関して、他の転倒成人入院患者と差は認めなかった・・・すなわち、ゾルピデム使用自体が転倒リスク。


また、アステラスか・・・

“もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)”・“中途覚醒時記憶障害”に関しての情報提供はあったが、転倒リスクの情報提供はないはず。

この会社は、この製品を、「筋弛緩作用が少なく、依存性が軽減された」高齢者に望ましい睡眠薬と宣伝していた前科がある。その宣伝文句に従い、全国の医師たちは多くの高齢者に処方しているはず・・・ その後、転倒リスクが高いという安全性情報を我々医師たちは聞かされてない。

ウェブ上でも、マイスリーと転倒増加に関する情報存在する。“マイスリー 転倒”でググればすぐ分かる。安全性情報を隠匿しているといわれてもしかたないのではないか・・・

この会社の前身の“藤沢・・・”に、SSRIと上部消化管出血リスクに関する情報を 求めた際、その場でそのような事実は無いとMRが断言した。このような会社なのである。

SMART療法のいんちきプロパガンダと同様の悪行と私は思うのだが・・・

喘息:アクションプランなしのケアは臨床的アウトカム、医師患者関係の質悪化につながる 2012/11/09

呼吸器系吸入薬剤営業:“医師は、製薬会社のパートタイム営業マンであってはならない” 2012/11/19


まぁ こういうことって、アステラスだけでは無く、すべての製薬会社に共通することですけどね・・・

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