2012年4月13日金曜日

血中総テストステロン低値の特異性は低い・・・ いいかげんな基準で“男性更年期”を拡大解釈するな!

late-onset hypogonadism、時に”男性更年期”という、いんちき病名でよばれる病態が仮に現実に存在すると仮定する。
その場合でも、3つの症状” fewer morning erections, fewer sexual thoughts, and erectile dysfunction”と男性ホルモン低値と一致した場合にだけ、その病名を呼ぶべきである
( 男性更年期診断の厳格化によりその疾病はわずか2%となる ・・・ 疾患存在への疑問 2010年 06月 17日)。



男性ホルモンとしての低ゴナドトロピン血症測定は、血中総テストステロン値が初期検査として推奨されている。

男性ホルモン低値の基準に関しても、総テストステロン値評価は結合蛋白の問題などその値をそのまま信用するわけには行かない。

遊離テストステロンは グロブリン結合異常や正常下限での評価に用いられるわけだが、それをゴールドスタンダードにして、正常vs低遊離テストステロン判別パフォーマンスを検討。


Performance of Total Testosterone Measurement to Predict Free Testosterone for the Biochemical Evaluation of Male Hypogonadism
The Journal of Urology Volume 187, Issue 4, April 2012, Pages 1369–1373


 3672名の電子カルテでの低ゴナドトロピン評価

低テストステロン血症(280ng/dL未満)での、低遊離テストステロン血症、除外・予測のための、感度・特異度は 91.3%、73.7%。

閾値 350ng/dL未満、400ng/dL未満では、感度 96.8%、98.2%と増加する。

閾値 150ng/dL未満、200ng/dL未満では、特異性98.9%、92.6%と増加する。


血中総テストステロン 280ng/dL、350ng/dLでは、感度十分でなく
350-400ng/dLを越える場合、正常の遊離テストステロンと考えて良いだろう。

150ng/dL未満を除けば、低ゴナドトロピン評価の特異性は少ない。




遊離テストステロン値をゴールドスタンダードとしても、総テストステロンのカットオフ値は曖昧である。

また、男性低ゴナドトロピン血症としての "state"としての存在としては存在する。だが、この低値を拡大解釈し、"disorder"としての存在を強調する医師たちが存在する。

 男性更年期障害:バランスを失った日本医師会雑誌の記載・・・生涯教育素材の価値無し 2011年 02月 05日
こういうタイトルをつける日本医師会編集部って、軽薄すぎる。
カットオフ値を曖昧にして、 本来正常な遊離テストステロン状態のヒトに男性ホルモン補充することのリスクを軽視しすぎている。

男性更年期のアンドロゲン補充療法・・・・エビデンス無し、リスク可能性大 2004年 05月 06日

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note