2012年3月7日水曜日

NYTimesなど米国メディア:スタチン使いすぎと・・・

“2012年US FDAは、すべてのスタチンに対し、警告表示を新たにさせた”

いわずもがなの以下の3つ
1)スタチン使用者に関して血糖と・HbA1c増加の報告があること
2) 認知機能に関する軽度・可逆性だが影響を起こすこと
3)HIV、HCVに関わるプロテアーゼ阻害剤との併用注意に関すること



それに関して・・・NYTimesだけでなく、米国各メディアが 一斉に報道
http://news.google.co.jp/news/more?cf=all&ned=us&topic=m&ncl=dA8qBwtENVrIFNMECLTi2C86GVL8M 


日本の巨大メディアの大多数は、マーケットで有力な企業商品にとって損となる情報は流さない(マスメディアの真のスポンサーは視聴者・読者なのだが・・・)
記者クラブってやっかいなのがあって、政府の間違えた方針を指摘するどころか、政府広報と見間違えるような情報だけを流し、結果的に、情報の非対称性を増強する日本のマスコミ。それにくらべればはるかにましな新聞。

この問題はあいかわらず変わらないのだろう、日本の汚点でもあるし、日本に悪影響を与えて続けている制度の一つ


日本のマスコミって、米国メディアの影響を受けやすい部分もなる。もし、日本のマスコミがこの問題を取り上げる状況になったら、スタチン使用に偏った現行医療制度にくさびを打ち込みには良いチャンスとなるだろう。


Op-Ed Contributor
The Diabetes Dilemma for Statin Users
By ERIC J. TOPOL  Published: March 4, 2012
http://www.nytimes.com/2012/03/05/opinion/the-diabetes-dilemma-for-statin-users.html?_r=2&sq=san%20diego&st=nyt&adxnnl=1&scp=14&adxnnlx=1331053352-9vEu7G4iQ4VJkAwaR8By7g



What should people who are taking statins do? If they are prescribed for someone who has already had heart disease or a stroke, the benefit is overriding — no changes are suggested. But in the vast majority of people who take statins — those who have never had any heart disease — there should be a careful review of whether the statin is necessary, in light of the risk of diabetes and the relatively small benefit that can be derived. Beyond that, a dose reduction or use of a less potent statin should be considered on an individual basis.;どのような場合スタチンを服用すべきか?すでに心臓病や卒中などを有する人への投与なら、ベネフィットは明らかで、変えるべきではない。しかし、スタチン服用する大多数の人々は、心臓疾患のない人たちで、スタチンが必要かどうかは注意深い観点を持つべきで、糖尿病リスクと、スタチン服用による小程度のベネフィットの天秤比較である。投与量を少なくする、あるいは、スタチンの使用を控えるなど個別考慮すべき。


日本という国は、メタボ・メタボと空騒ぎして、基礎疾患無しの一次予防を目的としてスタチン乱用を促進している。則ち、メタボ検診をそのまままじめに運用すれば、基礎疾患濃霧にかかわらず、LDL 140以上の大部分がスタチン処方へ化けてしまう。


だが、一方で、スタチンは2型糖尿病増加リスクをもたらし、さらには、最近、“記憶障害”リスクの報告がなされている。
 DAが、スタチン薬剤のこれら副事象に対し疑念を示しながら、片方では、“リスクは小さく、実質的に薬剤使用に影響を与えない”と述べているが、それほど副事象は軽微なものなのだろうか?一次予防のNNT(1人の臨床的ベネフィットを有するために投与される薬剤処方人数)は3桁である。
一次予防に関しては、スタチンのベネフィットもかなり微小であり、リスクが軽微であっても、リスクがベネフィットを吹き飛ばしてしまう。

参照:
FDA:スタチン副作用として記憶障害を警告
http://kaigyoi.blogspot.com/2012/02/fda_29.html

高用量スタチン糖尿病発症4.9年早める ・・・しかし、CV減少 NNT v NNH  2011年 06月 22日
http://intmed.exblog.jp/12937881/

閉経後女性;スタチンと糖尿病発症増加リスク WHI研究解析 2012年 01月 10日
http://intmed.exblog.jp/14377914/

メタアナリシス:スタチンは糖尿病発症リスクを高める 2010年 02月 20日
http://intmed.exblog.jp/10007346/


NYTimesに、スタチンの使いすぎを戒める意見が掲載されたが、日本のマスコミさんたちは、なにも動かない・・・

天皇陛下の術直後会見に出てた病院長がこんな感じ
お恥ずかしい厚労省検診・保健指導”腹囲基準”問答
http://kaigyoi.blogspot.com/2012/02/blog-post_9227.html


糖尿病とスタチンの影響に関する解説

Statins: The Story Behind the Label Changes
http://www.medscape.com/viewarticle/759736

“JUPITERトライアル(rosuvasttin vs placebo)、 PROVE-IT-TIM 22で、血糖コントロール悪化の報告、 WHIでは、スタチン服用で糖尿病リスク48%増加”知見が発端。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note